2020年02月01日

紙資料の経年変化  其の一

ここに二冊の冊子がある。
「耶馬溪鐡道案内記」。鴛海國陽:著。
大正六年・廣津商店:発行。
それぞれ初版と大正八年・二版だが、同じ冊子である。

で、今回のお題は「紙の経年変化(劣化)」について。
紙は保管期間や環境によって状態の変化が大きくなる
製品の代表といえる。
よく「酸性紙問題」が語られるが、これは主に洋紙の
インクの滲み止めに用いられた硫酸成分の問題。
「和紙」は強いと思われがちだが、破れ・虫喰い・シ
ミ・ヤケ・湿気・カビ等に於いては、和・洋の区別の
なく紙製品全体の課題なのである。

2020-0201-1・ブ.JPG
同時代発行の二冊の違いを画像でお伝えできるだろうか。
画像の左側の冊子が本来の色調に近いと思われる。

紙の変色の原因として考えられるのは個人的な経験とし
て、日焼け(褪せ)・ホコリヤケ・湿気・高温多湿の差
の大きい環境・隙間風などがある。あと「酸化劣化」と、
他の酸性紙からの酸化移り(和紙や中性紙であっても注
意)。複合的であったり誘発促進させる条件であったり
して、紙の変色・劣化の原因を特定させることは難しい。

2020-0201-2・ブ.JPG
裏表紙画像。ピンクの鋭角が二冊の境界線。
表紙面とは逆に右側の方が、金具のサビが滲んでいるが
本来の色調に近いと思われる。

2020-0201-3・ブ.JPG
そして…今回、初版と二刷では表紙の柄絵が若干異なる
ことを発見。消えてしまったとは考えにくい。
印刷ミスか変更か?。まさか色合いまで変えたのか?…。
この冊子に関しては今後、複数の同一冊子の検証が必要。

やはり難しい…。てか、お題の件はどうした?。
其の一は企画倒れというオチにて…スンマセン。

posted by 薄学斎 at 01:14| 本・資料