2020年02月02日

枯れ野の河原 (山国川)

山国川中流域の河原。
「冬枯れのシンフォニー」などと恰好つけたいのだ
が、顔の方がついてこないのでヤメておこう…。

帰郷してから、まず驚いたのが山国川の現状だった。
特に山間の谷底を流れ下る山国川が、平野部に解き
放たれる辺りから河口までは、自然状態の川岸がほ
とんど残されていない状態。
あの崖上から、槍のように突き立った杉木立を真下
に見て眺めていた大河・山国川も、大鯉が潜むとの
噂に通っていた雰囲気たっぷりのワンドの深渕も失
われ…。まだ二十代の薄学斎に突き付けられたのは、
用水路になってしまった山国川の姿だった。

あの頃もこの河原に立っていた。枯野の灌木はほん
のり緑の彩を付け、河原にはアブラナが咲いていた。
ラジオは記録的な黄砂の飛来を話題にしていた浅春。
「…何の疑念を感じることなく、無表情で堤防道路
を車で走り去る。お姉さんの顔が蝋人形と重なった
…」と、当時の薄学斎がメモ帳に書きつけてある。

あれから20年…。8年前の水災以来、山国川は用水路
から排水路となり続け、人心もデジタル化が進んだ。
同じ河原に立ち、同じ枯野を眺めながら、ただ傍観
し続けることしかできない、流されるだけの薄学斎
は山国川と同じなのかもと考えてしまう。

これが26年間、取り組んだ答えであるのなら悔しい。
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posted by 薄学斎 at 14:08|