2020年06月09日

吉田初三郎 鳥瞰図 久留米(くる米)

書庫で幾つかの資料捜索。
吉田初三郎の耶馬渓の鳥瞰図が数点あ
るのだが消息不明。う〜ん毎度の余計
な発掘品の誘惑に負けてしまい捗らん。
しかし「やばけい日本遺産」で吉田初
三郎の耶馬渓の鳥瞰図をして「天下無
二の芸術作品」などと豪語には絶句…
もう地元がコレではどうにも困る…。

吉田初三郎は「鳥瞰図絵師」と例えら
れることがほとんどなのだが、私メは
「画家」とだけで呼ぶようにしている。
いろいろと注意を要する画家と認識する。
略歴等の詳細は皆様で検索してくだされ。

2020-0609-1・ブ.JPG
吉田初三郎「くる米」・昭和10年頃。
全長約100p(表紙部含む)の「久留米
市鳥瞰図繪」を展開すると、いつものパ
ースとデフォルメ感満載の世界が広がる。

右に有明海と沿岸地域。中央上に日向神
峡を据えて、その山裾の筑後川との間に
久留米市街が描かれ、「市役所」・「三
勇士の碑」・中津を訪れたことがあると
いう「高山彦九郎終焉の地」や、調べて
みるとタイヤ生産を開始したばかりの
「ブリッヂストンタイヤ(株)」も描き
込まれている。
遠くは霧島・阿蘇・久住ときて釜山まで、
ここらも鳥瞰図の面白さだ。
2020-0609-2・ブ.JPG
2020-0609-3・ブ.JPG
左には当時「東洋一」と謳われたという
「太刀洗飛行場」。現在は平和記念館が
ある。戦争航空関連で巡る前には、旧・
海軍航空隊と旧・陸軍航空隊の区別を整
理しておかねば、混同してゴチャになる。

このような鳥瞰図は御当地の歴史や沿革
などに、楽しく触れる教材としては適し
ていると思うのだが、どうだろうか?。

posted by 薄学斎 at 00:43| 本・資料

2020年02月05日

「雪耶馬」は見れるのか?

大正六年・正月に大町桂月が訪れた際、耶馬渓は大雪
だった。
耶馬溪を見盡し、更に進んで彦山(英彦山)を窮めむ
と思いしが…一晩で一尺も積もりて、なおふりしきる
雪に…などと「雪の耶馬渓」に書き残している。
大町桂月はその数年後に他界し、一晩で撤退した耶馬
溪への再訪を果した記録は見られない。
青森県の十和田湖や奥入瀬・八甲田というカレンダー
写真のような彩やかな地域を愛でた文筆家の、耶馬渓
の紀行文を読んでみたかった(ちとコワイが…)。
2020-0205-2・ブ.JPG
大町桂月著「山水めぐり」・大正八年・博文館:発行。
ある古本屋で、店主も薄学斎も復刻版だと思い込み格
安購入。しばらく経ってから初版だと気づく…。かな
り以前のマヌケ話だが、復刻版は紛らわしく、今でも
気を遣う書籍だ。

2020-0205-1・ブ.JPG

過去の写真より(一部画像処理)。
耶馬渓・津民谷にて。英彦山周辺では更に大型の除雪
車が稼働する。地元にも「除雪車」はあるのだ。
北部九州の積雪は平野部で一冬に1〜2回あるが、大抵
は翌日には溶けてしまう。
しかし少し山間部に分け入ると、驚くほどに雪深い。
「英彦山地は九州で最も雪深い」と書かれていた本が
あるぐらいだ(信憑性は?)。

暖冬…薄気味悪ささえ感じる今冬。
桜の話で盛り上がってばかりいるから、「雪耶馬」が
見られんのだ。と、ボヤいてみる。お寿司は抜きで…。

posted by 薄学斎 at 02:52| 本・資料

2020年02月01日

紙資料の経年変化  其の一

ここに二冊の冊子がある。
「耶馬溪鐡道案内記」。鴛海國陽:著。
大正六年・廣津商店:発行。
それぞれ初版と大正八年・二版だが、同じ冊子である。

で、今回のお題は「紙の経年変化(劣化)」について。
紙は保管期間や環境によって状態の変化が大きくなる
製品の代表といえる。
よく「酸性紙問題」が語られるが、これは主に洋紙の
インクの滲み止めに用いられた硫酸成分の問題。
「和紙」は強いと思われがちだが、破れ・虫喰い・シ
ミ・ヤケ・湿気・カビ等に於いては、和・洋の区別の
なく紙製品全体の課題なのである。

2020-0201-1・ブ.JPG
同時代発行の二冊の違いを画像でお伝えできるだろうか。
画像の左側の冊子が本来の色調に近いと思われる。

紙の変色の原因として考えられるのは個人的な経験とし
て、日焼け(褪せ)・ホコリヤケ・湿気・高温多湿の差
の大きい環境・隙間風などがある。あと「酸化劣化」と、
他の酸性紙からの酸化移り(和紙や中性紙であっても注
意)。複合的であったり誘発促進させる条件であったり
して、紙の変色・劣化の原因を特定させることは難しい。

2020-0201-2・ブ.JPG
裏表紙画像。ピンクの鋭角が二冊の境界線。
表紙面とは逆に右側の方が、金具のサビが滲んでいるが
本来の色調に近いと思われる。

2020-0201-3・ブ.JPG
そして…今回、初版と二刷では表紙の柄絵が若干異なる
ことを発見。消えてしまったとは考えにくい。
印刷ミスか変更か?。まさか色合いまで変えたのか?…。
この冊子に関しては今後、複数の同一冊子の検証が必要。

やはり難しい…。てか、お題の件はどうした?。
其の一は企画倒れというオチにて…スンマセン。

posted by 薄学斎 at 01:14| 本・資料